Column

フランスに香る和 Vol.2 UMAMI①  

デュカス・バカラのバーでUMAMIカクテルを

パリ16区にある歴史的な空間「メゾン・バカラ」。2003年からミュージアムを兼ねていた「バカラ」の本拠地はミュージアムをクローズし、「デュカス・バカラ」の名で、この9月レストランとバーを館内にオープンしました。来春には庭園を公開するそうで、ラグジュアリーな新スポットとして注目されそうです。

バー「ミディ・ミニュイ」、すなわち、正午から深夜までノンストップでオープンしていることを謳ったバーのカクテルメニューも秀逸です。

カクテルのメニューを監修しているのは、アラン・デュカス・グループのカクテルのアートディレクター兼クリエーターのマルゴ・ルカルパンティエ。パリの19区に構えた自身のバーでイノベーション溢れるカクテルを作り続けて、アラン・デュカスに見出された人。バカラのグラスを使った「ミディ・ミニュイ」のカクテルは、いずれも美しく繊細で、味わいのサプライズがあります。

ところでカクテルメニューですが、カクテル名に副題がつけられています。

ジンと日本酒、カンパリ、アマロ、キノコベースの「JMF ネグローニ」の副題には「UMAMI、苦味、森の下草、アペリティフ」。カンパリの柑橘系の苦味に、日本酒のまろやかな旨みが加わり深みのある味わいに。キノコはパウダーにして効かせ味とし、さらにその旨みを引き立てていました。また、ジン、ベルモット、蒸留オリーブ、松の実、パルメザン、乳清、バジリコのブレンドの「エピナル」は、「UMAMI、ガストロノミー、大胆さ」の副題が添えられます。複雑なハーブ香の苦味に、パルメザンのチップを添えることで、チーズが持つ旨みが加わり、遊びのあるニュアンスをもたらしていました。UMAMIにも、様々な側面があることを気付かされるクリエーションに目が開かされるひとときでした。

「ナルシス」
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