Column

Worlds 50 Best🇫🇷No. 1 @TABLE

気鋭の料理人ブルーノ・ヴェルジュ

ミシュランガイドで二つ星およびグリーンスターの評価を受けるこの店は、「世界のベストレストラン50」において、2022年の第77位から翌2023年には一気にトップ10入りという快挙を成し遂げ、2024年にはフランス人シェフとして史上最高順位となる第3位に輝きました。
2025年の最新ランキングでも第8位に名を連ね、他のフランス勢であるPlénitude(14位)、Septime(40位)、L’Arpège(45位)を上回る位置にあります。

オーナーでありクリエイターでもあるブルーノ・ヴェルジュとは、もう20年来の知己です。
彼がまだ料理人として知られる以前、「Food Intelligence(フード・インテリジェンス)」という非常に魅力的なブログを主宰していました。
“Connaissez-vous…?(あなたは〜を知っていますか?)”という語りかけで始まる記事の数々では、フランス各地を自らの足で訪ね、優れた食材や職人、料理人を独自の感性で紹介していました。
その嗅覚と行動力には、常に深い敬意を抱いていました。

そして2013年、彼はついに「TABLE」をオープンします。
開業にあたり各地の厨房で研修を重ね、54歳にして挑んだ新たな出発でした。
彼の哲学は明快です。優れた食材を見出し、生産者へのリスペクトをもって、それを“体験”として客に届ける、というこおt。
その姿勢はまさに現代のエピキュリアン(美食家)のあり方といえるでしょう。

コースメニューは480ユーロ、ワインペアリングは300ユーロと驚くほど高額ながら、店はほぼ毎日満席。
彼が築いてきた信頼関係のなかで、他のレストランでは決して手に入らない希少な食材が突如として届き、それがサプライズに満ちた一皿として登場します。
私が訪れた際には、ちょうど翌週にヨーロッパヤマウズラが入荷するという電話が入り、ヴェルジュが若い料理人たちに調理の方向性を指示している場面に立ち会いました。

その日のメニューには、ブルターニュから直送されたヨーロッパイチョウガニも登場。
柑橘の香りをきかせたサバイヨンソースが、締まったカニ肉の甘みを見事に引き立てていました。
さらに、マグロのハラミをハーブ香るトマトのジュに合わせたカクテル仕立ての一皿も印象的でした。

デザートは、スペシャリテのケッパー風味のチョコレートタルト キャビア添え。
そして、オリーブオイルに浸した黒オリーブ入りのマドレーヌ。どれもヴェルジュの世界観を体現するものでした。

そんなヴェルジュがZyooをテイスティングしてくれました。

「素材からいただくバイブレーション、エネルギーを伝えることを自分の料理の第一義としているが、Zyooからも同じバイブレーション、同じエネルギーを感じた。親和性を覚える。素晴らしい味だ。」

そして、4年前からシェフ・ソムリエを務める弱冠27歳のアニエス・モランは、「麹が入っていることで味わいに柔らかさが生まれ、生姜の辛味と力強さに絶妙なバランスが加わっている。ヴィネガーなどを合わせたショットとして、食後の一杯にサーブしてみたい」と一言。

現代ガストロノミーを代表するレストランから、こうした評価とインスピレーションをいただけたことを、心から嬉しく思います。
Zyooが彼らの手でどんなシーンに登場するのか。その日を楽しみにしています。

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